自由とは何か

 

f:id:blue_aao:20191018142629j:image

北山くんTHE NETHER開幕おめでとうございます

 

 

予め断っておきますがこのブログは

ネタバレします

いやそんなに堂々と言うなよ

申し訳ないですがネタバレに関しての不平不満愚痴悪口は一切受け付けません。(悪口は単に傷つく)

 

ネタバレ見たくないけどあおちゃんのブログは見たいっっっっ!!!!って人は公演後に観にきてね、まってるよ❤️(うるせぇ)

 

 

そして、これは

私的見解と解釈です。

 

NETHERは人それぞれの解釈の違いがあって、考え方の違いが生まれる作品だと思う。それがNETHERの奥深さであり、魅力だと私は考えています。明確な物語の締め括くりはなくて、台詞に込められた感情をどう汲み取るかによってこの物語は締め括られるんだと思う。

 

 


🌧🌧🌧🌧🌧🌧

一言では言い表せないけど、ずっとこんな絵文字みたいな感じだったと思う。ずーっと誰かが苦しんでて、何が正解か誰もわからなくて、私たちも物語に集中してないと話についていけないから、みんなが苦しみながら見るような舞台だったと思う。

これが私的NETHER初日の感想です。今回原作とかネタバレとかを一切読まずにNETHERに挑みました。正直な話

 

めっちゃ疲れた。

 

なんせ出てくるワードが堅すぎる、法学部にだけは入りたくなかった私からすれば"捜査官"っていうワードすら頭痛くなりそうだった。まぁならないけど。モリスかっこいいから。

 

とにかく初日を終えた私にはこんなクソみたいなカッコつけた感想しか言えなかった。語彙力3のガキが原作とかネタバレとかいう武器を持たずに挑もうとするとこんな悲惨な結果になってしまうのかとしみじみ感じた。

初日終わってからすぐメモ開いて思ったこと感じたこと全部書こうと思ったんだけど、書いているうちに疑問点しか出てこなくて、

 

えっ結局モリス何したかったの????

 

っていうアホな感想が出てきてしまった時点でそっと私はメモを閉じました………

 

 

"控訴"とか、"捜査"とか法律関係のワードが死ぬほど出てくる。頭の中で文面におこしながら(校閲ガールがまくしたてるところを想像してほしい)見るとほんとに堅い言葉と表現が多くて、その意味を瞬時に理解できないとこの舞台のスピードについていけなくなる。私も何度も着いていけなくなった。気を張って見てないとついていけないけど本当に疲れる。(なのでこれから観劇する方は前日7時間程度の睡眠を取ることをお勧めします。もはやこれは大学の講義なのではないかと錯覚しそうになった。北山くん大学の先生にでもなんねーかな)(なんの話)

 

NETHERでは時系列問題が頻繁に生じるように感じます。私個人としてはこんな感じなのではないかなとここにまとめておきます。

 

モリスNETHERの世界にのめりこんだ父親を失う

モリスNETHERと現実世界の狭間で取り締まりを行う捜査官となる

ウッドナットとしてハイダウェイの世界で捜査のために乗り込む

↓ 

現実世界でドイルとモリス対面

ドイル自殺

シムズと初対面

 

 

 

まずNETHERの世界の話をすると、

私たちの想像や妄想(私たちが普段北山くんの彼女になった気持ちで妄想するのと一緒)RPGみたいなゲームの世界と私たちが普段から見る夢をごちゃ混ぜにしたような世界になって、それがさらに感覚と音と匂いが組み合わさってリアルになった、いや、

リアルになりすぎた世界

がハイダウェイ。

 

実際ハイダウェイはレルムっていう一人一人の偽造世界の一つで(これはアメーバピグとかの自分で作り上げる庭みたいなの想像して欲しい)そのレルムの中でもハイダウェイは最高級にリアルで、匂いも音も香りも感触も全てリアルに感じることが出来る世界。ハイダウェイの見た目は現代にはないヴィクトリア王朝時代の家を再現したもので

この美しさに魅了されて人々はやってくる。

レルムの中では(アメブロの庭ね)自分の現実の姿ではない別の姿に変わって自分の思い通りに過ごすことができる。(だから私たちはレルムの中で北山くんの彼女にもなれるよ)

ある種、"行き過ぎた現実逃避"の世界の中であるハイダウェイでは、"相手に深く干渉しすぎない"っていうルールがある。ハイダウェイでは愛することもできないし、その人の現実世界での本性も知ることができない。

 

確かにこんな感じだったよなぁと…

"ヴィクトリア王朝 家" (検索)

f:id:blue_aao:20191018142500j:image

 

ハイダウェイを作り上げたシムズは小児性愛嗜好を持った人間であるため、現実世界では犯罪行為になる小児に対しての性愛を可能にするため、NETHERの世界でハイダウェイを作り上げた。

モリスの父親も現実世界から逃げ出し、ハイダウェイの世界に浸かりこんだ"廃人"の1人。その影響でモリス自身は親の愛情を受けることができなかった。父親のようにネザーで生きていく時間が多くなると現実の世界では生きていられなくなる。そう感じたモリスは父親のような廃れた人間を生み出さないように、そしてその父親を目の当たりにして愛情を注がれなくなってしまう子供がこれ以上増えないように、モリスはハイダウェイを排除しようとする。

 

モリスはシムズの作ったハイダウェイにウッドナットという青年として捜査のために乗り込み、そこでウッドナット(モリス)はドイル扮するアイリス、そしてシムズ扮するパパと出会う。モリスはそこで美しい少女であるアイリスに恋をする。人に初めて恋をしたウッドナットはそこがNETHERという仮想空間の世界であることを知りながらアイリスに特別な感情を抱いてしまった。彼はハイダウェイでの自分が自分ではないみたいだと怯えていた。しかしアイリスはそんなウッドナットに「あなたがこうあるべきだと思うあなたのことは忘れてこうかもしれないというあなたを見つけるの」と話す。

ウッドナットはアイリスのこの言葉を受けてNETHERという空間に自分の居場所を見つけてしまったのだ。

 

ウッドナットがアイリスに特別な思いを抱くのと同様に、アイリス自身はパパへ特別な感情を持っている事を知る。しかしパパにはアイリスへの想いに応えない。そのかわりパパは自分の本性である情報をアイリスに少しだけ教えるというルールギリギリの行為をする。自分の本性である情報を明かしてくれたことがアイリスにとってパパの特別な存在だと思い込む材料となっていた。

 

ウッドナットはそんなアイリスの想いに応えず弄ぶパパに対して怒りを示すと同時に嫉妬の感情を抱き始める。同時にパパはウッドナットに対してアイリスとの距離の近さと特別な感情を抱いている点に注意をし、"斧のプログラム"を遂行するように勧める。斧を使ったプログラムはアイリスを斧で切りつけるというものでこれによってアイリスが死ぬことはないし、痛みも彼女自身が感じようと思うだけの痛みしか感じない。これはパパ自身の性愛嗜好による性癖であると同時に、"私のお気に入りの子に近づきすぎているから関係を断ち切れ"という暗示が込められている。その暗示に気がついたウッドナットはますますパパに対して嫉妬心を抱くことになる。

 

モリスとドイルが現実の世界で対面し、モリスがウッドナットであったことを知ったドイルは激怒する。アイリスはウッドナットに対して特別な存在だという証である"本当の情報の開示"を行っていたからだ。それだけアイリスにとって特別な存在になっていたウッドナットが自分について捜査を行うモリスだと知った時、彼は現実逃避していた本当の世界に戻されたように感じてしまった。

自分が生きていたのは、幸せだったのはNETHERの世界で、現実の未来はどうにも変化していない、そう感じたドイルは落胆する。その中モリスはドイルに対して初恋の人だったと告白し、パパへの嫉妬心を晴らすべく、パパに愛しているか聞いてこいとドイル(アイリス)に言う。愛してるとパパから言われたらドイルにとって幸せな空間ハイダウェイに戻してやる、という約束を取り付けて。

 

ハイダウェイに戻ったアイリスはパパに特別な存在かどうか確かめるが、パパはなにも言わない。パパの特別な存在ではないという嫉妬心から泣き喚くもパパはアイリスに対して暴力を振るうだけだった。ドイルが幸せだったと感じていたNETHERの世界も幸せにはなれなかったのだ。現実でもNETHERの世界でも幸せになることができないと知ってしまったドイルは、最後にアイリスとしてパパの本性である情報、現実世界でのシムズの情報を確かめるように受け止め、NETHERの世界からも現実の世界からも消える。

 

ドイルが亡くなった翌日、モリスとシムズは初めて現実世界で対面する。そこでモリスはアイリスが自殺したことをシムズに伝える。パパ(シムズ)が愛してる、と伝えなかったからアイリスは死んだんだ、と。アイリスはあなたの愛を感じたかった、特別な存在になりたかったんだと伝える。しかし、NETHERの世界で特別な存在になることは禁じられている為、本当に愛していても愛してるとはアイリスに伝えられない、そういうルールがあるのにも関わらずモリスはあえてアイリスにパパの思いを確かめてくるように指示した。それでアイリスが傷付いたのならそれはモリス自身が殺したのも同然だ、とシムズは伝える。そこで初めて自分の犯した間違いに気づいたモリスは涙を流す………

 

 

モリスもシムズもNETHERの世界に自分の存在価値を見出して、そこで愛することを知った。しかしそこにあるルールのせいで2人の最愛の人物アイリスを失うことになってしまった。ルールさえなければ、深く関係持つことが許されれば上手くいかことが多いはずである。

では、なぜシムズはハイダウェイにルールを作ったのか??

 

(ここからは本当に私の憶測です)

おそらくシムズがルールを作ったのは、これまでにもハイダウェイにのめり込んだ人物である誰かを亡くしたからなのではないか。そしてそれはきっとリピーターが陥りやすいアイリスになり変わった人物のはずである。

シムズは自分の性愛嗜好を満たすためにアイリスをこれまでに何人も作った。恐らく最愛のアイリスを失ったことがこれまでにもあったのではないだろうか。そしてそれはモリスの父親なのではないだろうか。

 

モリスが捜査を始めた理由は定かではない、たしかに彼自身は自分がかつて父親がNETHERにのめり込んでしまったことによって愛情を受けてこなかったと話すが、それが捜査を始めるきっかけだとは明確に話していない。そしてモリスはシムズにしつこいと言っていいほど最初のアイリスを知りたがる。

モリスの父親はハイダウェイでの最初のアイリスであり、彼はアイリスにのめり込むことによって自殺したのではないだろうか、そして多分ドイルと同じように自分のベルトで首を吊ったのではないだろうか、、。

(モリスの父親とシムズが何らかの関係があるように感じてた。けどそれが"最初のアイリス"だという意見を見たとき、すべてが開けた気がした)

 

NETHERの世界に支配されることによって自分の父親の命が奪われたことを恨み、NETHERの世界を排除しようとしたのにも関わらず、彼はハイダウェイの世界で自分の存在価値を感じてしまった。しかもそこで初めて恋を知り、愛する事を知り、そして失った。

彼はNETHERの世界で苦しむ人を救おうとしたのにも関わらず自分で愛する人を苦しめ、失ってしまったのである。

そしてシムズはモリスが最初のアイリスの息子である事を多分知ってる。だから最後に聞く、「モリス捜査官、これは君の本当の名前か」と。

 

NETHERの世界は現実逃避のできる自由な世界のように見える一方で、そのルールに縛られ苦しまれる。NETHERの世界が浸透しているあの世界では、今後現実の世界に戻りたいと思う人間が増えてくるのではないだろうか。いや、そうあって欲しいと願う。

 

 

っはーーー!!!!長かった!!!

 

初日見たときはただ単にモリスが正義感とNETHERの世界で格闘してるだけかと思ってた。でもそんなはずはないと思って書き直してよかった。疲れた。ここまで見てくださった方が何人いるかは分かりませんが本当にお付き合い頂きありがとうございました😭❤️